呉の歴史に浸るディープ一人旅
掲載日:2024年04月15日
明治時代から海軍の町として栄えてきた呉市。太平洋戦争の頃には、高い造船技術によって、戦艦「大和」を作った町でもあるのです。今も海上自衛隊の基地として艦艇を間近に見ることのできる場所や、その史跡も多く、最近では映画のロケ地としても人気。興味を持たないわけがありません!
そこで呉の歴史をめぐる1泊 2 日のひとり旅。初日は呉市街地を歩いて回り、2 日目は車をかりて呉市の東部・安浦町まで。
海上自衛隊、造船、海、そして名物料理とお酒。そんな呉の歴史を巡ります。
海上自衛隊の艦艇に乗って、リアル見学
町の中の身近なところに海上自衛隊の施設がある呉市。そのひとつである艦艇や潜水艦を目の前で見ることのできる「アレイからすこじま」は呉の名所にもなっています。
だけどもっと艦艇をそばで楽しみたい!
今日は、海上自衛隊呉基地が広報活動として行なっている一般公開に参加してきました。見学は土・日曜日に1 日2回。
受付をしていよいよ基地内へ。係の方の案内によって桟橋に向かいます。実際に艦艇に乗り込むことができます。外観の写真撮影は、O.K。甲板上を歩き、装備品などを見学することができます。見学対象以外の艦艇や潜水艦も間近に見ることができ、その迫力と独特の緊張感がたまらない!
ここでしかできない貴重な体験です。
■DATA
住所 広島県呉市昭和町5-2
公開日 土・日曜日
電話番号 0823-22-5511(内線:2702・2259)(海上自衛隊_呉地方総監部_広報推進室)
https://www.mod.go.jp/msdf/kure/
※安全上等の条件があるので,詳細は,上記リンクからご確認ください。
※駐車場 なし
※アレイからすこじま駐車場から徒歩5分
※荒天が予想される場合,行事や訓練等で中止になる場合もあります。
どこか懐かしくうまい!海軍が愛した料理
呉市は言わずと知れた海軍の町。海軍が由来と言われているカレーや肉じゃがといった料理も呉名物のひとつ。そこでランチは呉市の老舗、「田舎洋食 いせ屋」へ。
この店は創業 1921 年(大正 10 年)。海軍のレシピで作られたといわれる「海軍さんの肉じゃが」や「海軍カレー」を食べることができます。そしてもう一つのここの名物が、「いせ屋特製カツ丼」です。
一般的なカツ丼と違うのは、ビーフカツであること、そして特製のデミグラスソースがかかっていること。そしてそれをフォークでいただくこと。斬新かつどこか懐かしい味わいは食べてみる価値あり!
■DATA
住所 呉市中通 4-12-16
電話番号 0823-21-3817
営業時間 11:00〜15:00/17:00〜20:00(19:30LO)※水曜日は 11:00〜15:00 のみ営業
定休日 木曜日
駐車場 なし
戦艦「大和」の秘密と呉の歴史を体感
呉に来たら絶対に行きたかったスポットのひとつが「大和ミュージアム」。正式名、呉市海事歴史科学館。ここには戦艦「大和」が 10 分の1のサイズで展示されているのです。
10 分の1と言っても全長 26.3m! 設計図や写真をもとに忠実に再現されているので、リアリティと迫力が違います。
また、海軍や工廠として栄えた呉の歴史、戦艦「金剛」に搭載されていた「ヤーロー式ボイラー」やゼロ戦の実機など、船を作る技術や未来の科学なども知ることができます。戦争の悲惨さ、呉の歴史を胸に刻むことができました。
そして「大和ミュージアム」の向かいにあるのが海上自衛隊呉史料館。通称「てつのくじら館」。実際に活動していた潜水艦に乗り込むことができるのです。海上自衛隊の活動内容や潜水艦の内部を見ることのできる貴重な体験でした。
■DATA
呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)
住所 呉市宝町 5-20
電話 0823-25-3017
営業時間 9:00〜18:00(入館は 17:30 まで)
定休日 火曜日(祝日の場合は翌日休館) ※GW(4/29〜5/5)と夏休み期間(7/21〜8/31)と年末年始(12/29〜1/3)は無休
料金 大人(大学生以上) 500 円、高校生 300 円、小・中学生 200 円 ※企画展・特別展は別途有料
駐車場 約 65 台(有料)
海上自衛隊呉史料館(てつのくじら館)
住所 呉市宝町 5-32
電話 0823-21-6111
営業時間 10:00〜18:00(入館は 17:30 まで)
定休日 火曜日(祝日の場合は翌日休館)、12/29〜1/3
料金 無料
駐車場 大和ミュージアム横駐車場等(有料)
潮風が気持ちいい、「大和」をイメージした公園
「大和ミュージアム」を海側に回るとそこに広々としたウッドデッキ状のスペースが広がっています。
ここは戦艦「大和」の前甲板の 4 分の1部分をイメージした公園で、造船所、海上自衛隊呉基地、そして遠くには清盛伝説のある音戸の瀬戸の景色が広がります。公園内にある「大和の時鐘」は、戦艦が就役している間、時計代わりとして 30 分おきに鳴らされる鐘をイメージしたもの。
呉港を発着するフェリーを眺めながら呉の町の歴史に思いを馳せます。
■DATA
住所 呉市宝町 5-20
呉土産はここで決まり! 名酒を満喫
呉市で 1856 年に創業した日本酒「千福」の醸造元 三宅本店。
『最高の旨さを求め続ける』をコンセプトに日本酒・ジン・ウイスキーの製造を行っています。
併設の直営店では、有料試飲や限定酒・グッズの購入ができます。
また、「工場見学・きき酒体験ツアー」(2日前までに電話で要予約)も開催中です。
ぜひお気に入りの酒を見つけてください!
■DATA
住所 呉市本通 7-7-1
電話番号 0823-22-3838
営業時間 12:00〜16:00(平日のみ営業)
定休日 土曜日・日曜日・祝日
駐車場 3台
夕飯は「海軍さんの料亭 五月荘」へ。ここは明治時代から続く老舗の料亭で、海軍御用達のお店のひとつ。自衛隊内に残る公式文書にも、「主に潜水艦部隊がこの店を贔屓にしていた」という趣旨の一文が記されていたそうで、歴史を感じざるを得ません。戦艦・長門のレシピを再現したクジラの肉を使うウェール・スモール・カツレツや、呉海軍の肉じゃがなどが並ぶ「海軍御膳」(3,300 円税込)は、歴史を感じる旅にぴったり。
メニューは和食が中心で、いずれもやさしく上品な味わい。地元の魚介類を中心に、最上級広島牛など使用する素材にもこだわりが伺えます。
■DATA
住所 呉市本通 2-4-10
電話番号 0823-21-5121
営業時間 11:30〜14:30(14:00LO)、 17:00〜21:30(21:00LO)
定休日 火曜日
駐車場 なし
劣化がエモい! 今も残るコンクリート船
2日目はレンタカーを借りて安浦町へと足を伸ばしました。
まずは以前から見てみたかった「コンクリート船 武智丸」へ。
太平洋戦争中、金属が不足していた日本。苦肉の策として誕生したのがこのコンクリート製の船でした。当時の日本にはコンクリートで船を作る実績がなかったのですが、船として十分耐えられるものとして完成。現在は安浦町の三津口湾の堤防になっています。2隻をつなげたようなこの堤防は、船の上(堤防)を歩くこともできます。劣化した雰囲気もかっこよく、写真を撮る手が止まらない!
■DATA
住所 呉市安浦町大字三津口沖
呉が生んだ日本洋画家の生家を辿る
日本を代表する近代日本洋画家のひとり、南薫造画伯。彼の生家とアトリエを改修して作られた資料館が安浦町にあります。
南薫造画伯の作品だけでなく、画材や愛用品の展示もあります。母家は江戸時代後期に建築されたもので、そのまま残された部屋や土間もあり、建築好きにもたまらない空間。当時の農具や生活用品の展示から、往時の人々の暮らしぶりを垣間見ることができます。
■DATA
住所 呉市安浦町内海南 2- 13-10
電話番号 0823-84-6421
営業時間 9:00〜16:30
定休日 毎週火曜日(祝日の場合は翌平日休)・年末・年始
料金 一般 200 円(160 円)
高校生 120 円(100 円)
小中学生 80 円(60 円)
※( )内は 20 人以上の団体料金
駐車場 10 台(無料)
醤油の名店が作るうまいうどんでランチ
ランチはここ「うどん処やまき醤油蔵」で。創業 80 年、安浦町の醤油メーカーが運営するうどん店で、自家製の麺とつゆが自慢のお店です。醤油蔵を改装し、木製の醤油樽や一升瓶などがディスプレイされた店内。天ぷらと釜揚げうどんのセットをオーダー。冬には鍋焼きうどん、夏には冷たいうどんもあり、うどんがやや細めなのは呉の特徴なのだとか。丼ものや揚げ物など、メニューは豊富です。
■DATA
住所 呉市安浦町中央 1-3-14
電話番号 0823-84-5777
営業時間 11:00~15:00
定休日 木曜日
駐車場 20 台(無料)
弘法大師も訪れた霊山で絶景ドライブ
川尻町を代表する観光地、野呂山の山頂までドライブ。山の途中は「さざなみスカイライン」として整備され、眺めは抜群です。野呂山は、むかし弘法大師(空海)が入山修行した山として信仰の対象になっており、山頂には弘法寺も。標高 839m の山頂からは瀬戸内の穏やかな海やとびしま海道の多島美が見渡せます! 春には沿道にサクラやツツジも咲いて、とてもきれいです。
キャンプ場や登山も楽しめそうなので、次に来た時には、愛用のキャンプギアを持って来よう。
■DATA
住所 呉市川尻町板休 5502-37(国民宿舎 野呂高原ロッジ)
駐車場 あり(無料) ※国民宿舎 野呂高原ロッジ駐車場