迷ったらコチラ! 定番呉モデルコース 呉に来たら訪れたい 日本近代文化を感じる 1 泊 2 日旅 日本遺産のまち「呉」をめぐる
掲載日:2024年03月12日
明治時代から海軍の町として、そして今も海上自衛隊や造船の町、そして平清盛の伝説の町として知られる呉市。
町のあちらこちらにはその歴史を今に伝える建物や観光施設、そして食文化が多く残っています。
初めて訪れた呉。
どこに行けばいいのかな、と迷った時にはまずここへ!
どこか懐かしい町並み、潮風の香り、瀬戸内海の絶景。
それにおいしいカレーやカフェメニューなど、五感で楽しむ呉の旅。
市街地から、音戸の瀬戸まで、のんびり散策をしながら楽しみます。
※日本遺産とは……地域の歴史的魅力や特色を通じて、我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産」として文化庁が認定するものです。「鎮守府 横須賀・呉・佐世保・舞鶴~日本近代化の躍動を体感できるまち~」として認定されています。
戦艦「大和」のふるさととして歴史を刻む
呉を訪れたなら必ず行きたかった場所が「大和ミュージアム」。呉はかつて巨大戦艦「大和」を建造した日本一の海軍工廠の町でした。ここには当時の造船技術や 10 分の1の大きさの戦艦「大和」、ゼロ戦の実機などがわかりやすく展示されています。見応えがあるのはやはり戦艦「大和」! 縮小されているにも関わらず、そのスケールの大きさに驚きます。そして小さな部品なども忠実に再現されているリアルさについ見入ってしまいます。軍港として、造船の町としての呉。その歴史を噛み締めることができました。
■DATA
住所 呉市宝町 5-20
電話 0823-25-3017
営業時間 9:00~18:00(入館は 17:30 まで)
定休日 火曜日(祝日の場合は翌日休館) ※GW(4/29~5/5)と夏休み期間(7/21~8/31)と年末年始(12/29~1/3)は無休
料金 一般 500 円、高校生 300 円、小・中学生 200 円 ※企画展・特別展は別途有料
駐車場 約 65 台(有料)
本物の潜水艦に潜入し、海上自衛隊の活躍を知る
「大和ミュージアム」の正面にある大きな潜水艦! 呉のランドマークになっています。実はこれ、本物の潜水艦なんです。「てつのくじら館」は愛称で、正式な名称は「海上自衛隊呉史料館」。海上自衛隊の活動の歴史や掃海艇や潜水艦の活躍、そして 1986 年~2004 年まで実際に海上自衛隊で使用されていた、この潜水艦「あきしお」の内部を見学できます。艦内での暮らしぶりを見たり、潜望鏡を覗いたりすることもできるんですよ。潜水艦の乗員たちの活動内容を体感できます。
■DATA
住所 呉市宝町 5-32
電話 0823-21-6111
営業時間 10:00~18:00(入館は 17:30 まで)
定休日 火曜日(祝日の場合は翌日休館)、12/29~1/3
料金 無料
駐車場 大和ミュージアム横駐車場等(有料)
店内はまるで潜水艦! 海上自衛隊隊員のお墨付きレストラン
潜水艦の艦内を模した店内には、海上自衛隊音楽隊が奏でる BGM と自衛官スタイルのスタッフが。何だか非日常な雰囲気です。
ここ呉ハイカラ食堂では、海上自衛隊・潜水艦「そうりゅう」の隊員が金曜日に食べているカレーを忠実に再現。さらに、艦長より「このカレーはそうりゅうのカレーだ!」と認定を頂いた特別なカレーだそう。
今日いただいたのは呉海自カレーの「そうりゅうテッパンカレー(1,600 円税込)」。金属製の食器は自衛隊員が実際に使っているもの。海軍の肉じゃが、鯨カツ、サラダ、牛乳付きです。そしてカレーは辛さレベル1の「そうりゅう」をチョイスしました。
さすが自衛隊員監修、食べると元気が溢れてきます! お店の外では自衛隊グッズも販売。
■DATA
住所 呉市宝町 4-21 マリンビル 3 号館 2 階
電話 0823-32-3108
営業時間 11:00~15:30(LO15:00)
定休日 火曜日
駐車場 マリンビル 3 号館駐車場(有料)
護衛艦や潜水艦を船からもっと近くで見学
潜水艦や護衛艦など「アレイからすこじま」には本当にさまざまな種類の艦船が停泊しています。陸上から眺めることもできますが、ここは船に乗ってより間近に艦船を眺めたい!
そこで「呉湾艦船めぐり」に乗船しました。
発着は呉港の呉中央桟橋ターミナル。屋上オープンデッキを備えた観光船で、案内してくれる自衛官 OB と一緒にクルージング。大きな艦船にぐっと近寄ってくれるので迫力満点です!
海上自衛隊の皆さんのお仕事ぶりもよく理解できました。
艦船巡りクルージングは 1 日数回運行。
■DATA
住所 呉市宝町 4-44 呉中央桟橋ターミナル
電話 082-251-4354(有限会社 バンカーサプライ)9:00~18:00
運航日時間 月・水・木・金曜日 10:00、11:00、13:00、14:00
土・日・祝日 10:00、11:00、12:00、13:00、14:00
臨時便(夕呉クルーズ)
日の入り時刻15分前出港
・乗船2日前予約にて運航致します。
・毎日の日の入り時刻及び出港時刻が違いますのでお問い合わせください。
※注意事項
臨時便は,貸切運航することがあります。
気象状況により急遽運休することがあります。
所要時間 35 分
定休日 火曜日、台風などの悪天候時
料金 大人 1,700 円、小人 500 円(令和6年4月1日料金改定)
「この世界の片隅に」にも登場。建築好きにはたまらない
JR 呉駅から東へ歩いて 10 分ほど。幸町の辺りは海上自衛隊にまつわる施設や歴史的な建物が多く残っているエリアです。
この「青山クラブ」は明治 36 年に海軍下士官卒集会所として作られたもの。戦後はオーストラリア軍などが駐留し「呉ハウス」とも呼ばれていました。近年ではこの建物が、平成 28年公開アニメ映画「この世界の片隅に」にも登場しています。
どこかモダンな洋館の雰囲気があって、写真映えしそう。
緑に囲まれて明治時代にタイムスリップ
青山クラブを過ぎて、松林に向かって歩くと呉市立美術館とともに呉の文化と歴史を感じるエリアがあります。その一角にある入船山記念館は旧呉鎮守府司令長官官舎(平成 10 年国重要文化財指定)を中心に、東郷平八郎が住んでいた家の離れ座敷(旧東郷家住宅離れ)、旧呉海軍工廠塔時計、郷土館、歴史民俗資料館など、このあたり一体が歴史ゾーンとして形成。
呉の文化と歴史が集約されたエリアが、日本遺産に指定されています。緑に包まれ、市街地にありながら静けさの中に文化と歴史の香りを感じることができます。
■DATA
住所 呉市幸町 4-6
電話 0823-21-1037
営業時間 9:00~17:00※入館は 16:30 まで
料金 一般 250 円、高校生 150 円、小中学生 100 円
定休日 火曜日(祝日の場合は翌日休館)、 12/29~1/3
駐車場 122 台(有料) ※入船山公園 駐車場
和と洋の建築様式が融合した貴重な建物
明治初期まで小さな港町だった呉は、明治 22(1889)年に呉鎮守府が開庁したのち、海軍工廠や海軍病院、海兵団などの海軍関係機関が置かれる軍港都市として大きく発展しました。
この場所に軍政会議所兼水交社が建てられ、明治 25(1892)年からは呉鎮守府司令長官官舎として利用されました。明治 38(1905)年の芸予地震で崩壊したため、同年、その廃材の一部を利用して建替えられ、現在の長官官舎の姿になりました。
建物の東側には英国風の洋館があり、西側の和館と一体になった独特の建築様式。「玄関ドアの周りにはイギリス製のステンドグラスが埋め込まれ、洋館部の室内には金唐紙も復元されていてシックな豪華さ。ロマン漂う空間です。
■DATA
住所 呉市幸町 4-6(入船山記念館 敷地内)
地元の人とのおしゃべりも楽しい呉屋台
呉駅から徒歩 10 分の蔵本通り。ここは夜になるとますます賑やかになります。それは屋台! 屋台のために、この通りには上下水道と電気が整備されているそうです! 夜風に揺れる赤提灯や暖簾にわくわく。
屋台はラーメン、おでん、焼き鳥、創作料理など数店舗ほど。女子でも気軽に入れる雰囲気です。気になるお店にちょっとずつお邪魔して、お店の人や肩を並べた知らない人とおしゃべりしました。忘れられない楽しい夜に。
戦没者に思いを馳せて、未来への誓いを
2 日目は少し郊外へ。長迫地区に向かいます。ここには明治時代の海軍の軍人たちの埋葬地として整備された長迫公園があります。
丘の斜面に沿って「戦艦大和戦死者之碑」を始め、潜水艦、航空母艦などで亡くなった人の墓碑が 80 基の合祀(ごうし)と、戦前に建立された墓碑が 169 基あり、神聖な雰囲気に包まれています。丘の頂上には呉市内を見渡す展望台もあり、若くして亡くなった兵士たちへの想いが込み上げます。ここは映画「男たちの大和/YAMATO」のロケ地としても使われました。
■DATA
住所 呉市上長迫町
電話 0823-25-1362(呉海軍墓地顕彰保存会)
駐車場 11 台(無料)
造船、海軍、海、町。呉の全てを一望
軍港都市として栄えた歴史を持つ呉市。今なお造船の町、海上自衛隊の町として歴史を刻み続けています。ここ「歴史の見える丘」はそんな呉の歴史を一望できる高台です。赤と白のクレーンが並ぶ造船所はかつて艦船「大和」を作ったドッグ。周囲の山々やそこに建つ住宅街、呉港など、「これぞ呉!」を象徴するような景色。この丘にはかつてのドッグの壁石を使った階段や正岡子規が暮れを訪れた時の歌碑、当時の庁舎の煉瓦などを使った礎石記念碑などが置かれています。クレーンの間に沈む夕日もきれいだろうな。
■DATA
住所 呉市宮原5丁目
電話 0823-23-7845(呉市観光案内所)
駐車場 なし
世界でも稀! 間近に迫る潜水艦
ここに来ると本当にびっくりします。本物の潜水艦や艦船がこんなにたくさん、こんなに近くで見ることができるなんて! この近さは世界でも珍しいそうです。「アレイからすこじま」の「アレイ」は英語の小道。「からすこじま」は呉にあった周囲 30~40m の小さな島の名前に由来します。この風景をゆっくり眺められるよう遊歩道が整備されていて、写真を撮っている人もたくさん。周囲には海軍工廠の電気関係部品の建造物だったレンガ造りの倉庫群(昭和町れんが倉庫群)が残っており、日本遺産として認定されています。また、映画『アルキメデスの大戦』のロケ地としても選ばれています。
■DATA
住所 呉市昭和町
駐車場 28 台、バス 10 台(無料) ※アレイからすこじま駐車場
日本で唯一、潜水艦を望むカフェで海自カレー
「アレイからすこじま」の目の前にあるカフェへ。ここは魚のすり身を揚げたガンスと海上自衛隊秘伝の「愚直たれ」、レタスや大葉、梅ペーストなどを挟んだ「呉海自ガンスバーガー」(単品 620 円税込)、海上自衛隊の秘伝の呉海自カレー「くろしお特製 広島風柔らか牛すじカレー(1,250 円税込)。が人気。ぴりりとしたコクのあるカレーがおいしい! ランチメニューに加えてピザやドリンクも食べ放題。もうお腹いっぱいです。
窓の向こうの潜水艦や艦船を眺めながらのんびり。艦船を眺められるカフェなんて、日本でここだけなんですよ。
■DATA
住所 呉市昭和町 6-17 セブンイレブン 2 階
電話 0823-27-6855
営業時間 月・水~土曜日 11:00~19:00、日祝日 8:00~19:00(LO18:00)
定休日 火曜日
駐車場 約 15 台(無料)
瀬戸内海の歴史と伝説、美しさを一望
音戸の瀬戸まで足を伸ばしました。
ここは音戸の瀬戸公園の一番高い場所にあり、ふたつの赤い音戸大橋や牡蠣イカダが浮かぶ瀬戸の景色がきれい。お天気の良い日は遠くに四国山地や、北側の方向には広島市内も見えるんです。
ここは 1165 年、平清盛が瀬戸の開拓工事を 1 日でも早く進めるために、沈んでいく夕日を扇で仰いで招き返したという伝説があり、扇を持った清盛の像(2.7m)も建てられています。山頂の少し手前には明治時代に作られた旧高烏砲台跡地があり、石造りの兵舎跡も残されています。
■DATA
住所 呉市警固屋
駐車場 約 20 台(無料)